女性上司・女性部下と向き合うコツ10つ

あなたは同僚女性と上手くいっていますか?


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会社でも女性には気遣いを

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「女性の部下を持つと大変だ」、または「女性上司は部下を潰す」そんな話を聞いたことはありますか?女性活躍が2015年に叫ばれてから数年経ちましたが、とりあえず「女性管理職の登用率を上げる」というクソみたいな施策だけが採用されているのがほとんどの企業の現状でしょう。

その間に沢山の女性エリートの方が管理職に挑戦し、苦労を重ねられています。1900年台において、「管理職ノウハウ」はオッサン管理職が飲み会において一子相伝型で語り継ぐ飛天御剣流のようなものでした。すなわち、飲み会に参加できない子持ち女性管理職には奥義の習得が非常に難しい状況だったのです。そのため女性はハードワーカーになり見た目上の業績だけを上げようとし、部下を次々と潰してしまう・・・等と言う事例もよく聞きます。

一方で、女性部下も増えてきました。経理やお茶くみ等といった単純業務から、自分で考え、組織を動かす総合職としての女性が増えてきたということです。これによって、サービス業のみならず、メーカーやコンサル、商社等においても増えてきています。これは素晴らしいことですが、男性管理職にとっては「どう手を付けていいか分からない事態」が発生しています。

本当は協力しあって企業価値をたかめていければよいのですが、グズグズしてしまうこのままでは女性も男性もアンハッピーになる路線まっしぐらです。女性は今までの男性の様なスタイルは厳しいので仕事も生活も女性版に合わせるしかありません。不馴れな女性、合わせられない男性。幸せになる道筋が見えません。

そんなことを言っている一方で、日に日に、女性部下を持つ男性、女性上司を持つ男性が増えています。貴方が「その立場」になる日も遠くありません。本稿は、「女性の上司or部下がいて大変」という方の声に応えるべくしてメモしたものです。

本稿を書く少し前に、私は気づきました。女性マネジメントを失敗している男性もいれば、上手くいってる男性もいるということに。成功しているケースがある・・・これは一筋の光明だと思いました。女性上司/部下と上手くいっている人のアタマの中にこそ「女性と上手くやっていくノウハウ」があるはずです。今回はそのノウハウの掘り起こしを試みました。

今回の記事は、筆者の近くの「会社女性との付き合い方が上手い管理職」と「会社女性との付き合い方が下手な管理職」の両者へのヒアリング結果をベースに書いています。

女性部下との上手な付き合い方

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①見るけど見てないフリしよう

女性部下を持った貴方、さて何をしますか?初めて男性部下を持った人がやりがちなコミュニケーションは「ガチガチに束縛する」です。もちろん、これをそのまま女性部下に対して適用するのはNGです。

  • チームの仕事概要を細かく共有する
  • 業務の内容を細かく指示する
  • 都度、進捗を確認する
  • できてなかったらその理由を問い詰める

マネージャーの基本タスクですが、列挙してみると、かなり受け手に精神的負荷がかかることをやっていることが分かります。実は、女性マネジメントにおいては後半がカギになってきます。

男性が女性をマネージする時のポイントは「実は細かく見ているけれど、見ていないフリをする。そして重要な時にだけ声掛けする」というスタンスが重要になります。これ、何かに似ていませんか?そう、恋愛において女性から好かれる方法と酷似しています。そうです、女性マネジメントの基本は恋愛ルールを守ることだということです。

カタカタと自分の作業をやっているときも、対面や隣に気を配って、何をしているかチェックすることです。他のメンバーと議論になったりしているときに、直接すぐ声かけて「そんなやり方じゃダメだろう。」等と言うのはナンセンスです。デキるマネジメントは、困っているところをピックしておいてあげて、後で「そういえばAさんとフロア整理について話していたよね、アレは総務部も通すようにすれば上手くいくんじゃない?」などと雑談的に話してあげることです。そうすれば「お、この人は私のことを見てくれているな」と信頼度がアップします。

また、今では共有フォルダやシェアポイント等、同時作業できるIT基盤が整ってきていますので、作業中のデータもこっそり見ておいて、進捗が遅れていそうなら、詰まっているポイントを洗い出してあげておいて「こういうことを考えればいいんじゃない?」等とサラッと話ししてみることです。「すごい!この人私のことわかってる!」と思われるようにしましょう。そういう意味では、メールの基本ルールである「他部署・他社とメールする時はCCに必ず上司(自分)を入れる」というルールを守らせれば、ある程度のことは把握できるはずです。メールは情報の宝庫です。

女性は男性よりもプライドが高いということを理解しましょう。

②信頼を積み重ねることが重要

男性の場合は多くの社員が最初は「上司に対して信頼度MAX」でアサインされ、そこから上司評価が始まります。一方で、女性社員の場合はアサイン時には「上司に対する信頼度ゼロ」から始まります。すなわち、加点方式なのです。

そこから「あの上司は声掛けしてくれた」「あの上司はいつもうるさく言うだけ」等とプラスマイナスの評価があり、信頼度が上下してくという仕組みになっている、ということです。見てるけど見ていない、そんな「つつましいコミュニケーション」によって、少しずつ信頼を積み重ねていくのが女性と男性の間のチームワークだ、ということを理解しましょう。

NGケースは、表立って逐一、部下のことを知ろうとすることです。「ねぇXXさん、アレの進捗どうなってるの、アレ」「このデータは?あのデータは?」等と言うと一気に信頼度が下がります。「分かっているわよ、そんなこと突っ込まれたくない」という気持ちが増大して、最終的には自分の殻に閉じてしまいます。男性の部下の場合は殻に閉じこもっても体育会系よろしく情報公開を要請すればよいですが、女性の場合は無理すぎるとコンプライアンス事案になりかねません。単なるストーカー上司になるのだけはやめましょう。

③お叱りは「隠れて」やる

お叱りは隠れてやりましょう。実はコレ、男女共通です。よく「男性はデスク近くで叱れ、女性は個室で隠れて叱れ」等と言う過去の遺物のような名言がありますが、現在では男女に性差はありません。むしろ、若い男の子の方がメンタルが弱いため、デスク近くで怒られた瞬間、鬱になって次の日出てこないなどということもあるでしょう。

ミスをしたとき、あまりにもダメな状況が続いているとき、「ちょっと個室に来てくれない?」と呼び出して叱るのが最も効率的です。

また、叱るときに同時に褒める管理職がいますが、実はあまりよくありません。部下もバカではありません。「叱る時のダメージを和らげるために褒めてるだけだな、本当は良いとは思っていないよなコイツ」ということはバレバレです。部下としては、それよりも何故ダメなのか、どう改善すればよいのか、どうすれば状況が好転するのか、それを教えてほしいはずです。褒めるなら一瞬だけにしましょう。

上級テクニックになりますが、もっといいのは「他部署の上司に怒ってもらう」ことです。男性も女性も、自分が怒られているのを同僚に見られたくありません。個室に呼び出されても「あ、怒られてるな」というのは伝わります。ミスに他部署が関わっているのであれば、他部署も巻き込むとより効果的です。向こうの上司と裏で話をしておいて、先方の上司、自分の部下に対して怒らせるわけです。相当効きます。でも、部下も「自分は自部署の代表として怒られている」ということは理解していますから(理解できないレベルの部下に対してこのテクニックを使ってはいけません)、真摯に受け止めます。そして、自部署に戻ってきたときに上司である自分は「どうだった・・・?」と声掛けしてあげるのです。そこで二人で次のアクションについて議論すると、よりチーム感が増します。

④方針を変えないこと

実は、男性より女性の方がメンタリティ的に男気があると思います。意志を曲げるのが嫌いだということです。意外と、男性社会では「上司が経営陣の意向を忖度して意見を180度変える」という事象がよく見受けられますが、これをやると女性部下は一気に離れていきます。男性部下だと「ああ、副社長が言ったからしゃーないっすね」とロジックを超えた忖度にある程度の理解は示しますが、女性の場合「上に意見の一つも言えないクソ上司」という烙印を押して信頼度を下げる要因になるだけです。

確かにフラットに見れば、今まで上司と自分で何週間、何ヶ月もかけて作り上げてきた意思決定書類を、経営陣に論理性なく弾かれるのはたまったものではありません。それをよりにもよって一番努力したはずの上司が意見を真逆に変えて「社長がダメって言ったからこのプロジェクトやめることにしたよ」等と経営陣に媚びへつらう姿を見せられると、気分も悪くなるでしょう。

基本は意見は変えない、変えざるを得ないとしても何回も上に逆らうことです。それでもダメな場合は、女性部下に対して「本当に申し訳ない、私の力量不足で君にも迷惑をかけた」と謝ることです。「社長はわかってない、本当に・・・」等と、愚痴の形でもいいかもしれません。誠心誠意頑張った姿を見せれば、逆に女性部下からの信頼度はアップするはずです。

⑤女性の敵は女性

「独身女性VS子持ち女性」「若い女性VSお局様」などという言葉を聞いたことはあるでしょう。一番いけないのは女性同士だから分かり合えるはずだ、と、女性部下同士のコミュニケーションを放置することです。むしろ、女性部下同士が話している時こそ、一番聞き耳を立てておかなければならない瞬間だと理解して下さい。

一番厄介なのが、女性上司と女性部下の関係です。結構、女性上司は女性部下に対して男性部下への態度よりキツイということが分かるでしょう。ただの上司部下の関係のみならず、オンナとしての嫉妬心なども入っているせいか、トゲが多くなる可能性があります。こういう時は両者をチーム全体でフォローできるような体制を構築しましょう。

例えば、女性上司の愚痴を聞く人と、女性部下の愚痴を聞く人に分かれて、両面からすり合わせていく、問題があれば解決していく・・・というやり方などをして、二人が常にいがみ合わない体制を作ることです。

女性上司との上手な付き合い方

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⑥寵愛者になろう

男性上司よりも女性上司に顕著だと思われるのが、「少数の部下だけを寵愛する」という行動パターンです。特に、一人「お気に入り」を決めて、その人に情報から業務から思いっきりブン投げるという行動を起こす方が多い気がします。要するに「彼氏的な人」がチームの中で出てくるわけですね。

複数の場合もありますが、ナンバーワンとナンバーツーなど、序列がつくパターンが多いです。ホストクラブを想像するといいかもしれませんが、自身の要望を満たす方がナンバーワンになりえます。これは容姿やお金等での判断基準ではなく、話すペースが自分と合っているか、また、自分にとって業務上の重要な情報を握っているか、という基準を元に設計されます。

⑦寵愛されたら翻訳者になれ

あなたが女性上司から寵愛を受ける立場になったとき、部下としてやるべきことは一つです。「女性上司のやりたいことを翻訳して他メンバーに伝える翻訳者になる」ことです。報道官になりましょう。女性の仕事の投げ方はふわっとしている場合があります。この場合、何を、いつまでに、誰が、やればいいのかを翻訳してあげることです。このお仕事はあなたが副部長だろうが平社員だろうが関係ありません。これをやらないと、自分がすべての仕事を受け持つことになってしまって、業務がオーバーフローします。オーバーフローすると、女性上司は「使えない子ねぇ」と判断し、別の方に行ってしまいます。一度ダメな烙印を押された部下の評価が戻ることは稀です。

具体的には、定期的に他メンバーとミーティングの場を持つことをオススメします。「いま、女性課長は部長会での報告書にしか頭にない様だ」「女性部長から3つ案件を頂いているのですが、そちらの課で受け持っていただけませんでしょうか」等と言うことをするのです。

こう書くと、女性がイヤラシイように聞こえますが、実は男性上司でも少数寵愛系のリーダーはいます。男性は特にウェットなタイプが多いので、夜まで付き合わされることになることから、非常に厄介になります。

⑧寵愛者を取り込め

さて、あなたが寵愛を受けずに、別の同僚が寵愛を受けていた場合はどうすればよいのでしょうか。正解は「寵愛者の右腕になる」です。寵愛者は自分の部下かもしれません、後輩かもしれません、しかし、まずは情報を聞き出すためにすり寄りましょう。その上で、悩みを一緒に解決していくのです。

「女部長から5つもタスク渡されてさ・・・」「女課長は来週このレポート完成させろって言ってきてるんスよね・・・」等と色々な悩みがあるはずです。そこを「ならタスク3つこっちが受け持ちますよ」「レポート俺がやっとこうか?」等と対応して、仲良くなりましょう。

厄介なのが、自分がコミュニケーション取りづらい人間が寵愛者になることです。また、単に嫌いだったり、苦手だったりする人間であれば、放置すればオーバーフローして放散しますが、実は「一人で業務を抱え込んでも大丈夫な人間」が一番厄介です。そういった場合には、情報を入手するだけにとどめて、新提案を女性上司にするようにしていけば、「あ、この子は私の意向を分かっている」と思われるため、寵愛者候補になれる可能性が高まります。

⑨最も好かれるのは若い男の子

オッサン上司は若い女の子が好きです。間違いありません。でも、それと同じくらい女性上司は若い男の子のことが好きだということです。あなたが若い男性社員である場合は、ここぞとばかりに仲良くしましょう。お気に入りになれるはずです。寵愛を受けましょう。

これを逆手にとって、自分の部下に若いイケメンの男の子を据え置いておくというのも1つの手です。そして、座席を女性上司の近くにしておくのです。そうすると、自分の部下が寵愛を受けて情報が入ってくる⇒自分の評価も高まってくる、というポジティブサイクルになることがあります。

⑩女性上司は隣の部がお好き

女性上司は孤独です。しかし、女性は孤独より楽しい雰囲気を好みます。さて、この2つの矛盾する要件が成立したとき、どうなるでしょうか?

答えは「情報が他部課に行く」です。すなわち、他部署のメンバーをストレスの発散相手にするわけです。これは、隣の部に女性マネジメントが多い場合、お話し相手になりましょう、ということです。色々なことを話してくれるはずです。逆に言うと、隣の女課長の愚痴の一つも聞いてあげない男性は嫌われるということです。

社内女性人事関係のオススメ書籍

「女性は管理職に向いていない」等という世の流れに逆らった意見を申し上げる気はさらさらありません。ただ、女性もビジネスシーンに深く関与してきたため、上手な付き合い方、両者の働き方改革が必要ではないかと思っている次第です。

もっと沢山の情報が世にはあります。できればこの2冊は一読下さい。

女性の知らない7つのルール(ダイヤモンド社)

これは、本稿で記載しきらなかった「男性社会のビジネスルール」が書かれています。読んでみると、自分では当たり前と思っていたことが「これは特殊なんだ」ということに気づかされます。より深く男女差を学びたい人にオススメ。

女子の人間関係(サンクチュアリ出版)

本稿でも記述しきらなかった、「女性の生態」が事細かに書かれています。また本書籍は女性人間関係関連のベストセラー本です。興味なくても一読しておく価値はありますが、もう少し深く「女性の思考」を学びたくなった方に特にオススメします。

では!

※今回は男性目線からの女性を書いていますが、本来は逆のノウハウもあると思っています。