南海トラフ地震が発生する懸念が高まっています。
目次
南海トラフ地震の懸念が高まっている?
2018年12月11日、中央防災会議の作業部会で、「南海トラフ沿いの異常な現象への防災対応のあり方について」という報告書が発表されました。
本記事はこの報告書を分かりやすくまとめたものです。
一言でいうと、地震が発生した時に備えて、おおまかなシナリオケースを作っておいたよ、国民のみんなはちゃんと各ケースに応じて避難等ができるようにしておいてね。というメッセージでした。
元々、日本政府は中央防災会議に「大地震の予知をしろ」と指示していました。
中央防災会議はこの指示に対して議論を重ねたものの、2017年に「政府からちゃんと予知しろって言われてたけど、今の科学力だと予知(=何月何日に起こるよっていう確定的な予測)はマジ無理です。」と結論を出していました。
しかし、それでも中央防災のメンバーは頑張って観測技術や災害時のシナリオプランニング能力を向上させ、今回の発表をしたのだと思います。
公的機関も頑張ってるということです。
想定される震源域で「異常な現象」が生じたとき、慌てふためくだけではいけないよ、「異常な現象」が起きたときにはちゃんと警報ならすから命を守ろう!というメッセージです。
逆に言うと、こういう会議が公的な場で繰り返されているということは、国としては南海トラフ地震がそろそろ起こってもおかしくないという懸念を感じているということです。
ヤバイってことです。
南海トラフ地震とは?
南海トラフとは
「南海トラフ」とは、静岡県沖から九州沖まで約700キロメートルにわたる海底の「窪地」のことです。また、そこは地震が起こりやすいと呼ばれるプレートの境界線上になっています。
南海トラフ地震とは
南海トラフの範囲には、静岡県沖の「東海」、愛知・三重県沖の「東南海」、高知県沖の「南海」の3種類が含まれており、それら3地域で地震が起こる可能性があります。
「南海トラフ地震」とは、この3地域の地震の総称です。
過去、1707年、1854年、1944年の3回、この3地域がほぼ同時期に連動地震を引き起こしています。なので、同時に発生する地震が「南海トラフ大地震」等と呼ばれています。
南海トラフ大地震の被害は?
朝日新聞デジタルが出している被害想定が分かりやすいです。
最悪ケースの被害想定は
- 死者=32万人
- 短期的な建物被害=169兆円
- 長期的な経済被害=1,240兆円
被害額が1千兆円単位に行くケースは普通ありえないです。日本ならでは、大地震ならではの被害想定だと思います。
考えられるレベルの災害としては最悪クラスのものでしょう。
これに勝つには(?)隕石が降ってきたり、火山が爆発するくらいしかないんじゃないでしょうか。
南海トラフ地震の種類
さて、今回発表された報告書をチェックしましょう。
結論から言うと、「いきなり大地震が発生するケース」と「少し時間かけて発生するケース」があるよ!というものでした。
3種類のケースが考えられています。
- 「半割れ」
- 「一部割れ」
- 「ゆっくりすべり」
図としては毎日新聞の図が分かりやすいと思います。
1つ1つ説明していきます。
① 半割れケース(M8ケース)
南海トラフの想定震源域内、特に愛知・静岡等を含む東側で大規模地震(M8クラス)が発生し、残りの領域で大規模地震の発生可能性が高まったと考えられる状況のことです。
南海トラフの東側「半分」で大地震が起こるため「半割れ」と呼ばれています。
東海・東南海・南海のどこかで、いきなり大きな地震が起こる可能性がある、ということです。
想定マグニチュードは8なので、最大震度7になるかもしれません。東日本大震災に近いレベルだということです。(東日本大震災はマグニチュード9)
このケースの場合、数十分後に大きな津波が発生することも指摘されています。沿岸部の方は逃げる必要があります。
また、関西や四国の人たちはすぐには被害を受けないものの、もしこういった地震が発生したら、1週間以内に逃げましょうと言っています。
過去の地震では、多くは3年以内に西側でも大地震が発生し、一部では1週間以内にすぐ南海トラフ西側でも地震が発生しています。
※半割れケースでのタイムライン
② 一部割れケース(M7ケース)
南海トラフ沿いで マグニチュード7クラスの地震が発⽣した場合を想定する、というケースです。過去事例では、中規模の地震(M7クラス)が発生した直後に、大きなM8クラス以上の地震が発生する可能性があると言われています。
南海トラフ沿いのどこか「一部」で地震が発生するため、「一部割れ」と呼ばれています。
東海・東南海・南海のどこかで中規模の地震が起こる可能性がある、ということです。
このケースの場合、いきなりメチャクチャな被害が発生する想定ではないようですが、津波等は発生する可能性がありますし、余震の可能性もあります。しっかりと避難対応をとりましょう、というものです。
「直後」と言っていますが、1週間後に起こったケースもあるし、3年後に起こったケースもあるようです。期間は様々だと思いますが、「3年以内に連発しておこると考えろ」ということでしょう。
※一部割れケースでのタイムライン
③ ゆっくりすべりケース
プレート境界面での大きなすべりが観測され、それを大地震の予報代わりにしようというものです。
このケースが今回の発表の一番の目玉です。
ゆっくりすべり
この用語を覚えて下さい。
ゆっくりすべりは別名スロースリップとも言われます。正確に言うとスロースリップの中で「揺れを発生させない地震」をゆっくりすべりと称しています。もちろん、揺れの無い地震でも、気象庁等の計器で「観測」できます。
このゆっくりすべりが、南海トラフ地震の指標・トリガーになるのではないかということです。
「アヤシイ揺れ」「異常な数値」が出てきたら、そろそろ南海トラフ地震が発生する前触れではないか?そういう考え方をしているということです。
ちなみに2000~2004年の間と、2006年にも、このゆっくりすべりは発生しています。
公的機関も「そろそろなんじゃないか」と思っているのではないでしょうか。
こういった指標策定は前例がなく、学術的にも社会的にも関心を集めています。政府が「何とか予報せいや」とプレッシャーをかけていたので、中央防災会議が頑張って「こういう指標作ったよ!」ということなのでしょうか。
「ゆっくりすべりが発生した」というニュースが出たら避難準備しろ、ということです。
※ゆっくりすべりケースのタイムライン
「スロースリップ」って何だ?
そういう疑問が出てきた人は、過去記事を参照してください。
何を準備すべき?
南海トラフが起こるなんて聞いても、どうすればいいのか分からない。
そういった人が大半なんじゃないでしょうか?
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その他の防災グッズを知りたい人は過去記事を参照してください。