「避難場所」とは?避難所と避難施設との違いについて

地震等が起こったらまず「避難場所」に逃げましょう。

間違えやすい災害用語

災害用語は色々な派生があり、ちゃんとした使われ方をしていません。

特に「避難場所」「避難所」等の避難系のワードには派生語が多すぎて、間違いやすい状況です。

本記事では避難関係の災害用語の違いをまとめました。

正確性を担保するため「内閣官房ホームページ」「東京防災ページ」等、国の公式サイトを参考にしました。

避難場所と避難所の違い

避難場所とは?

避難場所とは何でしょうか?

正確には「指定緊急避難場所(していきんきゅうひなんばしょ)」と言います。

一言で言うと、災害時に一時的に緊急避難する場所です。

「一時的に」がポイントです。

体育館や広い公園等、大勢の人が、津波や余震の被害から逃れるために一時的に集合して安全を確保するためのものです。

内閣府がまとめている防災白書には、次のように定義されています。

指定緊急避難場所とは、津波、洪水等による危険が切迫した状況において、住民等が緊急に避難する際の避難先として位置付けるものであり、住民等の生命の安全の確保を目的とするものである。

参考:平成27年度防災白書

※災害対策基本法の考えでまとめています。

避難所とは?

避難所とは何でしょうか?

正確には「指定避難所(していひなんじょ)」と言います。

一言で言うと、被災した人が一定の期間生活する場所です。

「一定の期間」がポイントです。

地震等が収まって、さあ家に帰ろうと帰ったあと、家が浸水していていたり、液状化で使い物にならなくなっていたりした場合、住宅を確保するまでの間、一定期間寝泊まりする場所のことです。

トイレや飲料水などが備えてあり、寝泊まりできる施設であること等が条件になります。

内閣府がまとめている防災白書には、次のように定義されています。

災害の危険性があり避難した住民等を災害の危険性がなくなるまで必要な期間滞在させ、または災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させることを目的とした施設であり、市町村が指定するものである。

参考:平成27年度防災白書

参考:東京防災ホームページ

※災害対策基本法の考えでまとめています。

分かりやすく比較すると?

おさらいすると、

  • 災害が起こったら、すぐ逃げ込むのが「避難場所」(広場)
  • 家に帰ろうとして、家が使えなかったりしたら国の「避難所」に寝泊まりする。(建物)

イメージ図を書いてみました。

参考:国土地理院

避難場所と避難施設の違い

避難施設とは?

避難施設とは何でしょうか。

実は2つの意味があります。

本来の意味としては、火災等の時に建物の外に逃げるための道具(非常階段、滑り台等)のことを指します。建築基準法に基づいています。

もう一つの意味が、武力攻撃(弾道ミサイルやテロ等)を受けたときに、住民が一時的に避難できるような場所のことです。これは国民保護法に基づいています。災害用語としてはこちらを参照します。

武力攻撃事態等において住民の避難及び避難住民等の救援を的確かつ迅速に実施するために、国民保護法(第148条)では、都道府県知事が、国民保護法施行令(第35条)で定める基準を満たす施設を当該施設の管理者の同意を得て、避難施設としてあらかじめ指定しなければならないことを規定しております。

参考:国民保護ポータルサイト

避難場所と避難施設の違い

実は明確にされていませんが、比較するとこうなります。

  • 「避難場所」は、地震や津波、豪雨等の災害時に逃げ込む場所(広場)
  • 「避難施設」は、弾道ミサイルやテロ等の時に逃げ込む場所(建物)

要するに、対応するシナリオが違うわけです。

避難所と避難施設の違い

同じ建物である避難所と避難施設の違いを書くとこうなります。

  • 「避難所」は、飲料水やトイレ等、宿泊が想定された建物です。
  • 「避難施設」は、壁コンクリートの厚さ等の指定がある強固な建物です。

防災グッズを準備しよう

防災グッズは必ず準備しておいて下さい。

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