液体ミルクの安全性は?メリット・デメリットを比較。災害時に使えるの?

災害用に「液体ミルク」の需要が高まっています。

液体ミルクとは?

液体ミルクとは何でしょうか。

2016年の熊本地震の時、フィンランドから乳児用のミルクが送られたことで「液体ミルク」が脚光を浴びました。

液体ミルクとは調乳のいらない乳児用ミルクのことです。

↑↑↑こういうパック型のミルクです。

パックミルクはコンビニでよく見かけますが、あれは賞味期限が短い「生鮮商品」です。

脚光を浴びているのは、長期保存可能にした乳児用のミルクです。

なぜ脚光を浴びているのか?

災害時に使えるからです。

でも、本当に使えるのでしょうか?

何を買えばいいのでしょうか?

この記事では、特に災害時に備えるという視点で液体ミルクをチェックしていきます。

液体ミルクのメリット3つ

①すぐに授乳できる

粉ミルクを赤ちゃんにあげるとき、必ず5ステップが必要になります。

  1. お湯を沸かす
  2. 粉ミルクを計量する
  3. 冷ます
  4. 哺乳瓶に入れて混ぜる
  5. 赤ちゃんに授乳させる

この5ステップです。正直、めちゃくちゃ面倒です。

地震や豪雨で避難所に避難している時、このステップを踏んで授乳できますか?

時間がかかるし、一緒に避難している人たちの迷惑にもなります。

液体ミルクであれば、パックを開封すればすぐ飲ませられます。

これなら父親が一人で対応することも可能です。

断水しやすい災害時にもすぐ飲ませられます。

②保存がラク

1パック200ml~300ml程度に小分けされて販売されています。

粉ミルクだと、哺乳瓶を毎回洗わないといけません。洗うのに洗剤も必要です。

液体ミルクだと小分けなので「使い捨て」です。かなり負担が減ります。

※ただ開封後には注意しましょう。液体ミルクは、開封後、1日以上経つと腐敗の可能性が高まります。ケチらないようにしましょう。開けたら飲むか捨てましょう。

③衛生面も安心

災害時に避難所で生活していると、色々な人がいます。

共同利用する水や洗剤は、しっかりと煮沸しておかないと、雑菌が混じることになり不衛生です。

粉ミルクは一度缶を開けると、空気にさらされ続けます。それだけでもコンタミネーション(菌が入る)可能性があるのに、災害時には更に不衛生になります。(どんな人が共同利用しているかわからない水道水で洗浄したりするのです)

一方、液体ミルクは無菌状態でパックごとに密閉されています。

利用するときは開けるだけ、飲ませるだけ。中身は無菌。

液体ミルクは衛生面でも優れていると言えます。

液体ミルクのデメリット

①価格が高い

海外メーカーの液体ミルクは1本500円~1,000円程度です。(2018年時点)

一方、国産の粉ミルクは1食20円程度です。

かなり価格差があります。

毎日使用するには厳しい価格だと思われます。

今後、日本のメーカーが頑張って大量生産して、1パック100円程度に落ち着けば、だいぶ使いやすくなるため、日本のメーカーを応援しましょう。

価格だけみると、現時点では災害用に少しだけ備蓄しておく程度が正解だと思います。

小さなお子さんのいる方は、1ケース程度を買っておきましょう。

②持ち運びが面倒

液体ミルクを災害用に使う一番の難点がこの重さです。

ケース単位で買っても、かなり重いです。

避難所に1週間いるとしても、7日×5パックとして35パック必要です。

数ケース分を持つ必要が出てきます。200ml×35パックとすると、7Lです。

防災グッズと子供を担いで避難するとなると、津波が来ている時に一緒に持ち運べる重さではありません。

中規模の地震の時には、自宅で使えるため役立ちそうです。

③成分の安全性が「?」

一番のデメリットというか、皆が不安に思っているのが、

安全面は大丈夫なの!?

という部分ではないでしょうか。

変な保存料や添加物が使われていないのか、製造工程で沈殿物等が発生していないか・・・妄想は膨らみます。

液体ミルクの安全性をチェック

日本メーカーが作った場合は安心できそう

2018年時点では、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の議論資料が最も分かりやすいでしょう。

この中で、いくつか項目が定められています。

  • 成分規格
  • 製造基準
  • 衛生基準
  • 保存基準
  • 包装基準
  • 添加物

気になるのが「衛生基準」と「添加物」です。衛生基準は米国や欧州等の基準をベースに考えられています。また、添加物も、ビタミンに加えて鉄や亜鉛等の強化剤・色調安定剤くらいです。変なものを入れる設計にはなっていません。

日本ではようやく政府の「製造OK」が可決されたので、商品として日本メーカー品が出回るのは2019年以降になるでしょう。

海外メーカー品は裏面を確認しよう

正直、海外メーカー品については分かりません。

特に日本のメーカーと違って、衛生基準・製造工程が全くWebサイトからは見えないケースが多いため、パック裏面の表示を見るしかありません。

次の項目で、すぐ手に入る液体ミルクを紹介します。

自分の目でチェックして下さい。

手に入る液体ミルク一覧

①Babience(バビエンス)

韓国メーカー製の液体ミルクです。

大陸系のメーカーの食品を使うことに日本は慣れていませんが、ホームページを見ると、製造工程や成分表等、安全についての記載がかなりきめ細かく書かれています。

これが真であるなら、日本メーカー並の安全性を担保していると言えるでしょう。

小分けにされていて使いやすそうです。

やや面倒なのは、月齢ごとに商品が違うということです。


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↑↑↑ これが0ヶ月~6か月児用の液体ミルク


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↑↑↑ これが12ヶ月~24か月児用の液体ミルク

②Similac(シミラック)

アメリカメーカー製の液体ミルクです。

かなり有名な液体ミルクのメーカーです。

約1Lあります。

大きいです。

さすがアメリカサイズです。

ただ、大きさを除けばかなりオススメです。

オーガニックの添加物がほとんどのため、かなり気を使って作られています。

買うなら7本(7日分)は買っておきたいところです。

昔からある大手メーカーなので、安全面でも信頼できるでしょう。

 


Similac【Organic オーガニック 乳児用 液体ミルク ボトル 946ml 12ヶ月未満 乳児用】

③Aptamil(アプタミル)

ドイツメーカー製です。

アプタミル購入ページ(別サイト)

4本で4,300円、すなわち1本200ml程度で1,000円とかなり割高です。

添加物としてはミネラル・ビタミンに加え、魚油等が使われています。

色々入っていますが、体に悪そうな添加物は使われていません。

オススメは「Similac(シミラック)」

一番のオススメはSimilac(シミラック)です。

アメリカのメーカー製。

Similac【Organic オーガニック 乳児用 液体ミルク ボトル 946ml 12ヶ月未満 乳児用】

  • 0ヶ月から12カ月まで長い間使える。
  • そこまで高くない(1本1Lで2,000円)。
  • 備蓄品として保存がきく(半年~1年程度)。
  • 販売歴が長く、安全面での信頼度も高い。

スタンダードに考えるなら有名どころのシミラック1択でしょう。

防災グッズを揃えよう

他の防災グッズはちゃんと揃えていますか?

ミルクだけでなく、しっかりとフル装備しておきましょう。

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