有事は「情報量」が生命線です。
北朝鮮の動向を知るには
最近、よく「北朝鮮のミサイル発射タイミングがいつか知りたいのですが」という相談を受けます。基本的には「そんなの知りません」と回答します。私はサラリーマンであり軍人やスパイではありません。
もちろん、皆、ミサイルが発射される前に、Jアラートが鳴る前に有事になる兆候を知っておきたい、身構えられるようにしておきたい。その気持ちは非常に分かります。しかし、正直「普通の大企業」レベルでは確度の高い裏情報を知る手段はほとんどありません。
しかし、本当に一般ピープルでも知ることのできる情報はないのでしょうか?
実はあります。
一般人でも入手できること、質の良い情報という条件でマジメに考えると、やはり情報の質・量・速度の全てにおいて圧倒的に強いのが
- 外務省(国)
- マスコミ
- リスク専門会社
この3つです。政府発表は非常に確度が高いものですし、速報性で言えばマスコミが強いでしょう、両方持ち合わせている専門会社も存在します。
今回は基本情報を入手する手段を説明します。もちろん、「100%自分の身を守れる情報」等という都合の良いものはありませんが、こんな情報源があるのか!という参考になれば幸いです。
使える情報源「外務省」
各国の外務省は「この地域が危険である」というトラベル・リスク情報を常時発信しています。この公的情報はWebで誰でも見ることができるため、いつでもどこでも確認できるのが強みです。
大きく2つあります。「日本の外務省ページ」と「それ以外の外務省ページ」です。
日本の外務省ページには「日本がそろそろ北朝鮮に狙われるので海外逃亡しましょう」等とは記載しません。パニックになるからです。なので、もう一つのターゲット地域である韓国のリスク評価をチェックすることで危機が近いのか判断することをお勧めします。
また、海外の外務省は「日本に渡航すべきか、もしくは危機が近いから行かない方がいいのか」という情報を掲載しています。客観的な情報を閲覧できるわけです。
日本外務省 海外安全HP
トップページに世界地図が載っています。分かりやすい構造をしていますね。
実はこの地図をクリックすると、その国の「渡航リスク情報」が閲覧できます。クリックすると詳細情報が見られるのですが、地図上でも色分けされていて、すぐわかります。
リスク情報はレベルが0(白)からレベル4(赤)まであります。
このリスク情報がレベル3以上になると「そろそろか」と身構えておくべきでしょう。外務省が「韓国はそろそろ有事モードに入る可能性がある」という情報を入手したということです。どちらかというと「韓国に渡航していいか」「韓国出張してる人がいるけど大丈夫かな・・・」といった読み方をするのがノーマルな使い方でしょう。
米国国務省Web
U.S. Department of State | Home Page
アメリカの外務省のことを「国務省」と言います。英語では「U.S.Department of State」ですね。元々、内政の色々な仕事を引き受ける省が国務省だったらしいんですが、他の省に仕事が移って、外務だけが残っているのでその名残で「国務省」と言うらしいですね。
この中の「Travel Warnings」を見ましょう。
https://travel.state.gov/content/passports/en/alertswarnings.html
こういったホームページです。右上の検索窓に「Japan」等と国名を入力して検索すると「アメリカ人がその国に行っても大丈夫かどうか」が分かります。
米国基準は大きく3つあります。「表示なし」「Alert」「Warning」の3つです。
「Alert」は、ストライキやデモが発生しているリスクの高い地域へ渡航する国民に対して注意を”警告“するために表示されます。一方、「Warning」は、今まさに内戦や紛争が発生しており危険な状態であることを知らせる”警報“となっています。要するにWarningの方がヤバイということです。
例えば、北朝鮮と入力してみましょう。
こういった表示が出ます。当然、北朝鮮はバシバシミサイルを発射しているため、近づいてはいけませんという表示です。
次に、日本を検索してみましょう。
このように「表示なし」です。これで問題なさそうだということが分かります。日本の表示が「Alert」や「Warning」になっていないかどうかは注視しておきましょう。
※注意:政治的な判断等により、日本も含めた各国は、情報を「出さない」ケースがあるということも頭に入れておきましょう。もし出すとしても何日前から出すかなどはわかりません。情報判断の責任は当方は負いかねますので各自で負って下さい。1つの情報源だけに頼らないようにしましょう。
今回は米国国務省だけ紹介しましたが、英国外務省やオーストラリアの外務省等、色々な「公的情報源」が転がっています。
使える情報源「ニュースサイト」
次は、無料で手に入れられるWebニュースサイトを紹介します。
38ノース
38 North | Informed analysis of events in and around North Korea
英語ですが、一番正確性も速報性も高い北朝鮮ニュースは「38ノース」でしょう、北朝鮮に関する分析を専門とするウェブサイトです。核やミサイルの専門家、退役軍人や軍事、防衛アナリスト、米国務省の元職員等によって管理されている優秀なサイトです。
衛星写真等を分析して核実験や大量破壊兵器の開発に関する情報を公開し、また北朝鮮の内政や外交に関する情報も掲載しており、専門家の間でも絶大な信頼を得ています。
デイリーNKジャパン
DailyNK Japan(デイリーNKジャパン) | 北朝鮮のリアルな姿を毎日レポートする、日本で唯一の北朝鮮専門ニュースサイトメディア
英語なんて読めない!という人には「デイリーNKジャパン」でしょう。大韓民国の市民団体である北朝鮮民主化ネットワークが発行するネット新聞です。
使える情報源「専門企業」
専門マスコミやリスク専門会社を紹介します。ここは有料であることがほとんどですが、上記のような公的な情報、内部的な情報等をキャッチして速報をもらえるため、本当に先んじて情報を得たいのであれば有料で利用すべきだと思います。
共同通信「海外リスク情報」
一般のマスコミで一番有名なリスクメールを飛ばしている共同通信です。危機管理メールが毎日数通飛んできます。非常によくまとめられているため読み込みすべきでしょう。
エマージェンシー・アシスタンス
https://emergency.co.jp/service/security/
マスコミだけでなく、こういったリスク専門会社もあります。こちらは10年以上前からホットラインサービスを実施しているアシスタンス会社です。
メディアや世界中に展開しているエージェントから入手したインテリジェンスと分析に基づいて、世界各国のセキュリティ現況(危険度)を5段階のスケールで評価した情報を得られます。こちらもメールで毎日配信されることが特徴です。
また深刻度に応じて、注意喚起、警告、退避勧告といった警報をEメールでタイムリーに発出してくれるサービスがあります。
ここ以外にも沢山あるため、調べてみましょう。
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