コンサルになりたての人、経営企画部・マーケティング部に異動したてのスタッフに見てほしい記事。
「インターネット」という概念が出来てきた2000年代と違い、2010年代以降、様々なデータWebサイトが充実してきました。事務系のお仕事も「紙媒体の資料を読み込み、頭に叩き込んでそれっぽく喋る」というやり方から変わらなければいけないフェーズになってきています。
今はよっぽどマニアックな情報でない限り、一般的な情報を集めるのに書籍は不要です。むしろ、データ化してくれるWebサイトの方が100倍以上作業効率が良いでしょう。でも、どんなサイトがあるか、パッと出てきますか?
コンサルや経営企画・マーケティングの担当者は、色々なニュースや統計データを見て資料を作成します。特にコンサルなんて「いかに早く統計情報を加工してお客様にお見せするか」がバリューの1つですよね。しかし、書類を読みながらチマチマとエクセルを作るという力技の作業は時代遅れがやることです。
今回は、すぐに役立つホームページを紹介します。情報収集能力は単に知っているか知らないかですが、それだけで雲泥の差があります。他の社員と差をつけましょう!
統計データ
e-stat(イースタット)【無料】
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do
データを扱う人なら良く知っているサイトですが、「政府統計の総合窓口」という二つ名を持つ総務省統計局が作ったサイトです。各府省が公表する統計データを1つにまとめたサイトなので、ここに入って手に入らない公的情報はほぼないと言っても過言ではないでしょう。まずはここをブックマークしましょう。
仮説思考をして試算したい数値を決めた上で、人口や労働力調査結果が欲しくなった際に読み込む、という使い方をおすすめします。
こんな風に色々な基礎データをすぐにGETできます。
自分でグラフ化なんてしなくても図表でダウンロードできます。凝ったデータを作りたいなら、元データをダウンロードして加工しましょう。
統計ダッシュボード【無料】
http://data.e-stat.go.jp/dashboard/
これも総務省が頑張って作ったサイトで、政府統計データについて、基本的なものを視覚的にわかりやすく簡易なグラフにまとめたWebサイトです。2017年5月から開始されています。
約5000ある統計データを17分野に整理しており、国別・都道府県別・市区町村別にデータを見ていくことが可能です。社会・経済全体がどのように変化してきたかといった傾向の把握や、経営戦略を考える際の外部環境分析に使えるツールです。
最初からグラフ化されているなど非常に便利。是非使いましょう。
RESAS(リーサス;地域経済分析システム)【無料】
こちらは経済産業省が作ったサイトです。2015年4月に開始。
元々、地方創生という課題のもと、地方自治体がコストをかけなくてもデータにアクセスできるようにするというコンセプトで作られていますが、企業から見てもかなり使えます。総務省にも負けていません。
データ元にするより、画面を見ながら上司やクライアントと議論する、というやり方でバリューを出すことをおすすめします。コピペは最後の納品資料で。
視覚的なデザインで欲しい情報が一気に手に入ります!
Atlas(アトラス)【無料】
日本がこんなことやってるくらいですからアメリカも当然やってます。と、いうか、各国やってますので自分で調べてくださいね。こういう時に英語力が必用になってきます。海外の人口や市場規模をリサーチするのに便利です。
検索窓だけ。むちゃくちゃオシャレ。
試しに「人口」で検索したらいきなりデータが出てくる出てくる。しかも図表化されているという最強ぶり。データも図表もダウンロードできるよ。でもちゃんと英語は余命と何のデータなのかを判断するのに辛いかも。
DATA GO JP【無料】
こちらは内閣官房と総務省行政管理局が作ったデータカタログサイトです。こう見てくると、同じ総務省でも1枚岩でないことが分かってきます(笑)
こちらはデータソースに悩んだ時に使いましょう。もともとどのような公共データ元があるのか、もしくはどんな使われ方をしている事例があるのか等を読み解くのに有効です。データのソース先を探すのに使いましょう。
ちなみに、空き缶からデータがいっぱい出てきているキャラがいますが、どうやら「缶(=官)から情報をシッカリ出す」という意味合いの様です。オヤジギャグですね。
どんな所からデータ引っ張ってきているのか?から読み解けます。
オススメはデータサイト一覧。
業界情報・基礎情報
日経テレコン21【有料】
https://t21.nikkei.co.jp/g3/CMN0F11.do
言わずと知れた日経テレコン。1997年から始まった、日経新聞社が提供しているインターネット上で新聞・人事・特許・POSデータ等にアクセスできる画期的なデータセンターです。特に新聞という媒体は公的データソースからは取りえない定性的な情報が多々あるため、有料でもここは登録しておくことをおすすめします。(コンサルや大企業なら普通はアカウント取っているはずですが・・・)オススメは業界市場規模の簡易調査です。新聞記事に想定業界事業量が掲載されていることが多々あります。
色々な新聞にアクセスできます。
過去の定性データにアクセスできるなんて反則・・・!新聞記者が独自に書いている売り上げ予測や業界マップなども見られるので、業界調査にも便利です。
経済レポート情報【無料】
ナレッジジャングルという会社が「インターネット上で無料で公開されている経済ニュースを集めてくるサイト」という立て付けで始めています。
日本経済、外国為替、雇用労働、政治、ニュース、行政、資源・エネルギー、食品、アパレル・・・色々なジャンルの情報を浴びるように読み流すことで、情報分析力を鍛え、様々な知識を得ることができます。
どちらかというと、メールマガジン登録やRSS登録をして、自動的に毎日メールが飛んでくるようにした方が良いと思います。
地味な見た目だが、左のカラムには膨大な数のジャンルが並んでおり、更にその中の情報量も莫大なものになっています。一読しておいて損はないでしょう。
J-Net21【無料】
http://j-net21.smrj.go.jp/index.html
J-Net21は中小企業のサポートサイトです。特に凄いのが業種別の起業サポートです。コンサル等にとって良いのは、新規事業の立ち上げサポートなどをやる際に、これを見ておけばクライアントが何を言って来ようとほぼ答えられるわけです。ノウハウの基本が詰め込まれているわけですから。さらに、PLひな形等もあるので、自分でエクセル化してクライアントに提示すれば尊敬されること請け合いです。
こんなホームページ。起業マニュアルとかあります。
一番使えるのが「業種別開業ガイド」です。
何が凄いって、業種を選択すると、必要資金やPLひな形等がすぐ出てくるところです。業界のことを知らなくてもすぐ要点を理解できます。
Ullet(ユーレット)【無料】
上場企業約4000社の「決算書」と「ニュース」を分析しているサイトです。ランキングの形でも見られるため、わかりやすいです。また、このサイトの良い所は、他の起業比較サイトと違っていてバランスシートをちゃんと分析しているところだと思います。(売上高と営業利益しか見ていないサイトも多いです)
上場企業を含めた業界調査をするのであれば、このサイト以上のサイトはなかなかないでしょう。オススメの使い方としては、若手に業界マップを作らせたりするのに使うと実力がついていいかもしれません。
検索直後の画面はこんなものです。
詳細画面にいくとP/L、B/S、CFから株主、株価など多彩な情報が盛りだくさんです。
調査のチカラ【無料】
大手ウェブメディアのITmediaが運営している調査情報サイトです。無料アンケートデータのまとめサイトで、古今東西の様々な無料調査データが掲載されているため、まずは有料調査するよりもここで探した方が早いかもしれません。「アイスクリームの意識調査」「この冬に食べてみたい鍋」等、一歩踏み込んだグループインタビューの無料情報まであります。クライアントや自分が新たに進める新規・既存事業プロジェクトの基礎調査等をする際にこのページにアクセスしてみましょう。
こんな風に色々なデータが出てきます。
ものすごく突っ込んだデータが出てきます。どちらかというと定性情報を集める際に検索するといいかもしれません。
オススメ書籍
いかがでしたか?もちろん、世の中の大半のことはネットを見るだけでは答えなんて書いてませんし、新しいビジネスのことなんて仮説を立てるしかありません。でも、仮説を構築するベースとなる基礎知識は既に世に出てまとまっているんだ、ということを理解しておきましょう。
最後にオススメ書籍を3冊、列記しておきます。
①完全独習 統計学入門
- 作者: 小島寛之
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/06/17
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る
統計学が流行った時に読んでいて、一番初心者でもわかりやすく、かつ統計学の初級者から中級者になりやすいステップバイステップの本です。分かりやすく読めてサクサク進めます。統計が苦手な人はまず読んでみましょう。統計を全く知らない文系の人にとっても、一読の価値あり。
②データ・ドリブン
データ・ドリブン・マーケティング―――最低限知っておくべき15の指標
- 作者: マーク・ジェフリー,佐藤純,矢倉純之介,内田彩香
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/04/20
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
これも有名どころでしょうか。データマーケティングをやるなら読んでおいて損はない1冊です。何をKPI(重要指標)にすればいいのか?ブランド認知率なのか?クリック単価なのか?NPVなのか?あまり本にも書いていない、実務的な数値候補が書かれているので参考になります。また、経営陣を説得することが目的、とも書かれていて、企業内の身の振り方も理解されています。
③人口学への招待
人口学への招待―少子・高齢化はどこまで解明されたか (中公新書)
- 作者: 河野稠果
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 新書
- 購入: 6人 クリック: 127回
- この商品を含むブログ (39件) を見る
統計・経済のデータを見ていくためには、人口動態をどういう視点で読み解いていくかという勘どころが必要です。それを養うために下記をおすすめします。人口減少って何?少子化ってなに?高齢化ってなに?すべて分けて議論できるようになりましょう。
また、他にも使えるサイトあるよ!という場合、指摘頂けると幸いです。
色々なWebサイトを使いこなして、価値ある人材になりましょう!
では!